第18回九州放射線医療技術学術大会(大分大会)の開催にあたり
第18回九州放射線医療技術学術大会 大会長 吉田 幸人
第69回 九州放射線技師学術大会
第72回 日本放射線技術学会九州支部学術大会
大分県での開催が3巡目となる今大会のテーマは「診療放射線技師の未来地図 ~放射線技術学の将来を見据えて~」とし、令和5年11月3日(金・祝日)、4日(土)の両日、JR大分駅に程近い「J:COMホルトホール大分」にて開催することといたしました。アフターコロナとしての学術大会が、大分の地からスタートできる喜びと同時に大きな責任を感じております。
我々を取り巻く環境は、近年の放射線技術学の進化と学際化、診療放射線技師職域の拡大、専門性の深化、臨床現場におけるDX化など急速に変化変容を遂げています。同時に2040年問題を現実として捉え、診療放射線技師として将来を生き抜くための知恵と対応力が問われ始める時代を迎えてきています。最先端技術を更に極め、我々が培ってきた知識と上手く融合、発展させる。医療技術職としての普遍的な「学びの欲」を今大会にはいろいろな企画に散りばめることができたと自負しております。
特別講演としまして、大分大学医学部放射線医学講座教授 浅山良樹先生による将来の放射線医学の発展性についてのご講演をはじめ、(公社)日本診療放射線技師会(JART)富田博信副会長による、これまでの事業の取り組みや生涯学習の発展性について、更にJAXA宇宙航空研究開発機構の辻込立人先生より、宇宙線による影響や医療分野への応用についてのご講演をいただく予定にしています。
またシンポジウムでは、フォトンカウンティングCT、MRリニアックといった最先端機器を導入、実績を積んでいるご施設の使用経験と将来に向けた技術活用を、加えてAI研究、深層学習研究がご専門である、大分大学理工学部教授 畑中裕司先生よりAI研究の将来に向けてのお考えを、更にJART江藤芳浩副会長による、JARTの将来構想についてそれぞれご講演、討論していただきます。
実行委員企画①として、ランチョンセミナーに桂川茂彦先生をお迎えし、「深層学習ことはじめ」というタイトルで、これから深層学習を使った研究を始めようとする診療放射線技師そして学生に向けてご講演、ご指南いただきます。実行委員企画②では、「放射線治療ワークフローの未来」と題して放射線治療研究会による2部構成の講演会を予定しております。
その他機器展示、ライブセミナー(ハンズオンセミナー:ワークステーション実機による演習・講義、大分県超音波研究会による初心者向け超音波検査技術向上のための実技形式研修)、ランチョンセミナー等を企画いたしました。
放射線技術学と診療放射線技師の未来について語り合い、診療放射線技師としてのご自身の将来像をしっかりと「地図」に描いていただき、それに向かって第一歩を踏み出す起点となれるような学術大会を目指し、皆様をお迎えしようと思っております。多くのご参加を実行委員一同、心よりお待ち申し上げます。